「2020年からパワハラ対策が企業に対して義務化されるらしい」
「パワハラ対策といっても何から取り組めばいいんだろう」
こんな悩みにお答えします。
パワハラの問題は、多くの人にとっても他人事ではなくなってきました。
この記事をご覧いただければ、パワハラの定義からパワハラをする人間の特徴、パワハラが起こったときの具体策まで詳しく解説しています。
今回は、パワハラの義務化に備えるべき企業の対策「7つのステップ」についてお話します。
目次
パワハラの定義とは
パワーハラスメントすなわち、パワハラとは一体どのような行為が該当するのでしょうか。
パワハラについて、厚生労働省は次のように定義しています。
同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為
もう少しわかりやすくお話しますと、職場での先輩や上司といった立場と利用して、指導や教育といった範囲を超えた、いじめやそれに該当する行為のことをパワハラといいます。
現在、このパワハラについての対策が各企業に求められています。
またパワハラの定義について詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しています。
»【動画付き】パワハラ(パワーハラスメント)の定義と6つの分類
どのような人間がパワハラを行うのか
では、パワハラはどのような人間が行うのでしょうか。
「部下を徹底的に追い込む」
「自分の立場や権限を利用して、部下をモノのように扱う」
「他人に興味はなく、興味があるのは自分ことだけ」
このような上司があなたの職場にもいるかもしれませんね。
仕事の上で部下を追い込んだり、目標達成のためには手段を選ばない、全ては自分の評価のため、どれも正解ですがパワハラを行う上司は次の一言で表されます。
それは「部下を肉体的・精神的に追い込みながら、自分はどんどん出世していく人間」です。
このような考えの人が本当にいるのか?と思うかもしれません。しかし、実際に社会には一定数、存在しますし、当の本人は自分の行為をすべて正しいと思っています。
次に、実際にパワハラが起こってしまった場合の対策についてご紹介します。
パワハラ対策の「7つのステップ」
パワハラの対策について、企業としてやるべきことは次の7つです。
- トップのメッセージ
- ルールを決める
- 実態を把握する
- 教育をする
- 周知する
- 相談の場所を設ける
- 再発防止に取り組む
こちらは、厚生労働省においても推奨されている方法でもあるため一定の質は保証されていると思っています。
ここからは、パワハラ対策の「7つのステップ」についてもう少し噛み砕いてご説明します。
トップのメッセージ
パワハラの問題は、上司と部下の当事者や発生した部門だけに任せておけば解決するような問題ではありません。
企業のトップがパワハラの問題についての重要性と早期解決が必要であるということを打ち出す必要があります。
ルールを決める
ふたつめは、ルールを決めるということです。
パワハラの問題がなかなか解決しない理由のひとつに、基準の曖昧さがあります。
セクハラなどの問題はその行為が業務とは関係がないため線引がしやすいのですが、パワハラについてはその行為が業務上の延長にあるため、どこからが指導・教育でどこからがパワハラにあたるのか不明確な場合が多いのです。
ですので、パワハラを解決させるためには、ルールを決めることがかかせません。
就業規則などで、処分の内容や適用条件を決めるとともに、パワハラの相談者に対しても不利益な扱いにならないような配慮も必要となってきます。
実態を把握する
実態を把握するには、アンケートのよる調査が有効です。
これは、社内のパワハラの状況を知るということが目的になりますので、匿名での提出はもちろんのことWebを使ったアンケートや個別での面談を利用するといった方法もあります。
教育をする
続いては、教育についてです。
教育をするとは、従業員に対して、研修を行うことを意味します。
これは従業員に対し、パワハラの理解を深め、予防・防止につなげることが目的です。
なお、研修についてはパワハラ対策の中でも最も効果が高いものとされており、厚生労働省でも定期的に行うことを推奨しています。
パワハラの研修については、こちらの記事【徹底解説】パワハラの研修、セミナー、講演を講師の立場から紐解くで詳しく解説しています。
周知する
先程、ご紹介したトップのメッセージや新たに定めたルール、研修の実施要領、さらにはこの後ご説明する相談窓口の設置などについては社内に幅広く周知する必要があります。
トップからのメッセージ以外にも、部門長やリーダーなどが率先して啓蒙することが大切です。
相談の場所を設ける
次に、パワハラの実態についての相談場所を設けるということです。
こちらの対策も、研修についで重要な項目となります。
相談窓口には、会社の中に設置する内部相談窓口と、外部の専門家に相談窓口となってもらう外部相談窓口があります。
それぞれの窓口がパワハラなど様々な問題に対応できることで従業員にとって活用しやすいものとなるでしょう。
再発防止に取り組む
実際にパワハラが発生しまった場合は、その解決を行うとともに再発の防止にも取り組まなければなりません。
パワハラの対策については、再発防止策と予防策は表裏一体となっているため、予防策を継続して行うことが再発防止にもつながります。
具体的な、再発防止策は次の通りです。
- パワハラ行為者に対する研修の実施
- パワハラ発生時のメッセージ、通達
- 防止策の事例の活用、共有
- 管理職登用の際の条件
個人で行うパワハラ対策は?
もしあなた自身がパワハラにあってしまったら、どうすればよいのでしょうか。
結論から言いますと、すぐに誰かに「相談する」の一択です。
パワハラという行為は、本来の自分が持っている感性や思考能力、判断力などをすべて停止状態にさせるような破壊力を持っている行為です。
ですので、パワハラのような行為を受けていると最初のうちは「しばらくすれば収まるだろう」「怒鳴られないように、もっと頑張らなければ」と考えることもできますが、だんだんエスカレートしていくと、「やっぱり自分はダメなんだ」と自己否定に陥ってしまいます。
このような状況を第三者の視点で見てくれるのが相談なのです。
「相談するなんて恥ずかしい」「自分が悪いだけなんだ」と全て背負うようなことはせずに、まずは誰かに話してみることをおすすめします。
補足:パワハラの録音は証拠になるのか
パワハラの事実を誰かに説明するには、その証拠が必要となってきます。
文章などの記録以外にも、パワハラの行為が行われた現場の録音も証拠と成り得ます。
しかし、この録音という方法もやり方を間違えてしまうと、被害にあっている方が罰せられるということにもなりかねません。
詳しくは、これって違法!?「パワハラの録音」は証拠として有効な手立てとなるのかをご一読ください。
まとめ
今回は、パワハラの義務化に備えるべき企業の対策「7つのステップ」についてお話しました。
繰り返しになりますが、パワハラの対策は次の7つです。
- トップのメッセージ
- ルールを決める
- 実態を把握する
- 教育をする
- 周知する
- 相談の場所を設ける
- 再発防止に取り組む
この中でも特に大切なのが、教育をするということです。
パワハラの問題は当事者同士で解決できるものではありません。今後、20年30年と長きに渡って企業を継続していくためには、組織として取り組むべき重要な課題なのです。
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