こんな悩みにお答えします。
パワハラ上司の行為は、他の人が見ていたり、録音がされているような場所で行われることは少なく、実際にパワハラの被害にあっていたとしても証拠がなく「言った言わない論」になりがちです。
ですので、事実としての録音という行為は有効な手立てとなるでしょう。
しかし、その録音の方法にも注意が必要です。
なぜなら、録音の方法を間違えてしまうと、場合によっては自分が損害を受けることもあるからです。
この記事では、パワハラの録音方法と録音をする際の注意点を事例と一緒にご紹介しますので、最後までご覧いただけると嬉しいです。
目次
パワハラの録音は証拠として有効【注意点あり】
パワハラの暴言などは、再現性が無く、その場限りのものですので、パワハラの証拠となり得るのもが中々無いというのが、パワハラ問題の難しいところ。
パワハラの証拠の一つに録音という方法がありますが、この録音の方法にも注意が必要です。
録音は、誰が何を話したのかということを記録することができます。
最近では録音ができるツールも増えてきて一昔よりもその敷居は下がってきました。録音の代表格と言えるのものが「ボイスレコーダー」ではないでしょうか。
しかし、ボイスレコーダーを手に入れるのは簡単ですが、気をつけなければいけないことがあります。
ボイスレコーダーは使うのにはリスクがある
録音をする際にボイスレコーダーを使うのは注意が必要です。
なぜなら、ボイスレコーダーが職場においてある時点で録音しているということが分かってしまうからです。
パワハラのやりとりを自衛目的で録音することは罪に問われませんが、状況を間違えてしまうと会社から処分を受けてしまう可能性があります。
パワハラを録音するコツ
もし「録音」をする必要があるのであれば、スマートフォンが良いでしょう。
多くのスマートフォンには、録音機能がついています。スマートフォンを職場で使用していても不審に思われることは少ないはずです。
録音には有料のアプリもありますが、単純に音を録音するというのであれば、無料のアプリで十分です。また、iPhoneには「ボイスメモ」、Androidには「音声レコーダー」という録音アプリが標準でついています。
Android機種によって搭載されていない場合がありますので、その場合は別途GooglePlayストアからダウンロードが必要です。
スマートフォンの録音機能を使い慣れていない人は、職場で慌てないように自宅で試しに録音してみることをおすすめします。
また、最近では、超小型のボイスレコーダーやペン型の物も登場しています。職場へのスマホの持ち込みが制限されている場合には、こちらの方が良いでしょう。
また、パワハラの証拠として残すのであれば、内容を記録したメモ、精神的苦痛による医師の診断書、などがあります。あくまで、ボイスレコーダーはお守りとして持っておきましょう。
その辺りは、下記の記事にて詳しく解説しています。
»パワハラで診断書はもらえるのか?労災認定を得る手順を徹底解説
パワハラの録音は違法にならないのか
「勝手に会話を録音しても良いのだろうか」「盗聴なんてしても大丈夫だろうか」と不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。一部の会社では、録音行為が禁止されている場合もあります。
禁止されているのであれば、パワハラ行為を録音したとしても無効になってしましそうですが、結論からいうとあまり関係ないようです。
就業規則で録音行為が禁止されていたとしても、裁判では通らないことがほとんどのようです。
40代の女性がJPモルガン・チェース銀行を不当解雇で訴えた裁判。同行は秘密録音を解雇理由の一つとしたが、東京高裁は2017年の判決で「秘密録音は銀行の行動規範に反するが、事情を踏まえれば解雇理由とまではいえない」との判断を支持、解雇を無効とした。
-参照:日本経済新聞 パワハラ証明に「秘密録音」企業は制止できず より-
補足:「秘密録音」と「盗聴」の違いと違法性について
相手の許可を得ずに録音をする行為は大きく分けて「秘密録音」と「盗聴」の2種類があります。
秘密録音とは、自分が現場にいながら録音をすることで、盗聴とは、自分が現場にいない状態で録音をすることをさします。
どちらも録音する行為自体には、直ぐに違法となる場合はなく、刑事責任を取るということもありません。
しかし、その録音した内容をもとに、会話を公開するといって金品を要求する行為(強要罪、脅迫罪)や会話を公開したことによって相手の社会的地位を下げるような行為(名誉毀損罪)は罪に問われてしまいますので、絶対にやってはいけないことです。
また、盗聴においては、録音をするために勝手に他人の敷地に入る行為(住居侵入罪、建造物侵入罪)やトイレなどに盗聴器を仕掛ける行為(軽犯罪法違反)が違法となる可能性があります。
パワハラを録音する前に検討すべきこと
周りの誰かに相談する
「パワハラの被害にあったら、すぐに録音だ」と思うかもしれませんが、慌ててはいけません。
録音をする前に、やるべきことがあります。それは「相談」です。
相談とは社内、社外を含め、まずは他の人に事実を知らせ助けを求めるということです。この順番を間違えてしまうと、パワハラの被害にあったのにも関わらず、会社から処分を受ける場合もあるのです。
高田 裕二さん(29歳、仮名)は以前からから上司のパワハラにずっと耐えてきました。
高田さんは、まずは証拠が必要だと考え、自分の席にボイスレコーダーをおいて「録音」をすることにしました。
しかし、「録音」をしていたことが上司に見つかってしまい理由を問い詰められた結果、パワハラの証拠を集めるためということを打ち明けました。
その後、高田さんは職場の風紀を乱したとして、会社から処分を受けしまったのです。このように判断を誤ってしまうと、自らが罰せられるという本末転倒の結果になってしまうことを忘れてはいけません。
転職や退職を視野に入れる
冷静に考えてみると、録音するようなパワハラ行為が行われているのは、ちょっと異常な職場だと思うのは不思議ではないかと思います。
その上司も、昨日今日からではなく、今までもずっとそのような態度をとっていたのではないでしょうか。
パワハラの行為がまかり通っている職場や会社を案ずるよりも、自分の将来を気にしたほうが自分の人生にとっては、プラスのはず。
その上司にエネルギーを注ぐよりも、自分の未来にエネルギーを注いだほうが賢い選択ではないでしょうか。
そんなときは、一度、退職代行サービスに相談してみるのもありです。
退職したいけどできない。そんな人に変わって退職の手続きをしてくれるサービスです。一人で抱え込むよりもきっとよい方向に進むはずですよ。
まとめ
今回は、パワハラの録音方法と注意点について、解説してきました。
録音はパワハラの証拠集めについては有効ですが、方法を間違えると自分の身が危なくなってしまいます。
あくまで、録音はパワハラから逃れるためのひとつの手段です。
パワハラ被害の解決の第一歩は「自らの行動」ということを忘れないでくださいね。
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