自分の仕事に対すること、職場の人間関係や将来の不安など考えただけでイライラしてしまうようなストレスは今の世の中に溢れかえっています。
厚生労働省の調査によると、今の仕事や職業環境において強いストレスを感じている労働者の割合は58.3%もあることから、2人に1人以上の労働者が日々何かしらの強いストレスにさらされているといえます。
参照:労働調査会 調査・統計より
仕事が上手くいかずに行き詰まっていると「やっぱり自分はダメな人間なんだろうか」「いっそのこと、会社を辞めてしまおうか」「辞めたらどうなるだろう。新しい仕事など見つかるのだろうか」など、次から次へと不安なことが頭を駆け巡っていることと思います。
このようなストレスが原因で引き起こされるイライラや不安はどのように対処すればよいのでしょうか。
今回は、ストレスのイライラや不安に素早く対処できる「コーピング」についてお話します。
コーピングとは
あなたが外部からのストレスに対して、ストレス状況(ストレスを引き起こす源)自体を良くしたり、直接感じるストレス反応(ストレス状況により引き起こされた反応や状態)を緩和するなどといった意図的に対応することを「コーピング」と呼びます。
わかりやすく言うと、ストレスに対しての対処方法をコーピングと言います。
コーピングの対象になるのは「認知」「行動」だけ
コーピングについてお話しする前に、ストレスについて少し言葉の理解を深めておきましょう。
先程出てきたストレス反応は、認知、気分・感情、身体反応、行動の4つに分類されます。それぞれの意味は、次の通りです。
- 認知とは、頭の中で考えたこと、イメージのこと。
- 気分・感情とは、うれしい、悲しいといった心の状態。
- 身体反応とは、頭痛、涙が出る、緊張するといった生理的な反応。
- 行動とは、話す、歩く、本で調べるなど実際に体の動きのこと。
ストレス状況とストレス反応については、こちらの記事【図解でわかる】職場のストレスの原因と軽減させる方法を徹底解説をご覧いただければと思います。
では話をコーピングに戻しましょう。
実際にコーピングを行うときに覚えておいて欲しいのは、対象となるのはあなたの「認知(頭の中での想像、イメージ)」と「行動(実際の体の動き)」だけということです。
「環境(職場の雰囲気、天候など)」について言えば、あなた自身ではコントールはできないはずです。
また、「気分・感情(心の状態)」「身体反応(頭痛、緊張など生理的に現れる反応)」についても反射的に、「辛い」「苦しい」と頭で考えてしまったり、「頭痛」「めまい」などもあなたが望まないようなことも「コーピング」の対象にはなりません。
あなたの選択で未来は変わる
実際に「コーピング」を使った例をみていきましょう。
あなたが上司から怒鳴られたとします。「また始まった」「早く終わらないかな」とあなたは心の中で思うはずです。
このようなことは自動的に思ってしまうので変えることはできませんが、あなたはその後の行動については変えることができます。
例えば、「仕事が終わったら飲みに行こう」「違う上司に相談してみよう」「いっそのこと、会社を辞めよう」といった行動を取ることができるのではないでしょうか。
今あげた行動の例は、私が思いついたままあげたものですので、どれが正解というものではありません。
あなたが「コーピング」を行うときは、あなた自身がストレスを減らせるであろう行動を書き出してみて、その中から最も効果がありそうなものを選んで実施するだけで良いのです。
まとめ
今回は、ストレスのイライラや不安に素早く対処できる「コーピング」についてお話しました。
あなたが不安や恐怖などの気持ちや感情、またはめまいや頭痛などの身体反応をコントールすることは難しいでしょう。しかし、その後の行動について書き出し、分析することで、その不安や恐怖を減らすことはできます。
今回、ご紹介した「コーピング」で少しでも心の不安を減らせることを願っています。
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