あなたは「トム・ソーヤーの冒険」という物語をご存知ですか。
今から約150年も前に書かれた小説で主人公のトマス・ソーヤー少年が、ミシシッピ川のほとりの自然豊かな小さな町で、ハックルベリー・フィンをはじめとする仲間たちとともに、さまざまな冒険を繰り広げるという物語です。
実はこの物語の中(第2章)に仕事とモチベーションについて描かれているシーンがあるのでご紹介します。
仕事とモチベーションに関する「ソーヤー効果」とは
物語でトムはポリーおばさんの家の敷地を囲むフェンスを白く塗るという子供にとっては退屈極まりない仕事を命じられます。
トムはこの仕事を楽しんでいるわけもなく、「人生が虚しく感じられ、息も消沈していた」と書かれています。そんな時、トムにある画期的なアイデアがひらめきます。
ペンキ塗りをしているところを友達のベンに見つかってしまい、「トム、可哀想だね」と声をかけられるもトムは「そんなことないよ。こんな楽しい仕事は今までしたことがないよ!」と言います。
これを見たベンはペンキ塗りがとても楽しそうに見えて、トムに少しやらせて欲しいと頼みますが、トムはこの申し出を断ります。
どうしてもやりたかったベンはトムに「お願いだよ!このリンゴをあげるから、少しペンキ塗りをさせてくれよ!」と言ってはじめて、トムはペンキ塗りをやらせてあげたのです。
この後も、トムは何人かの少年がトムの前を通りかかる度に、同じ方法でペンキ塗りを代わりにやってもらったのでした。
このエピソードについて、著者のマーク・トウェインは次のように言っています。
「”仕事”とは、”しなくてはいけない”からすることで、”遊び”とは、しなくてもいいのにすることである」
また、これとは逆に、遊びに対して、報酬が支払われるようになるとそれは仕事になります。
そうすることで、本人のモチベーション(内部的動機づけ)は低下し、そこで得られる成長や楽しみ、は減ってしまうのです。
このふたつの側面を持つ効果を「ソーヤー効果」といいます。
まとめ
人は与えられた仕事が自分の好きなこと、得意なこと、もしくは嫌いなこと、苦手なことといった内容によりモチベーションが変わってきます。
報酬がほとんど無いような状態でも自分の好きなことであれば、人はのめり込むように行動します。
一方、遊びであったとしても、報酬が与えられるとそれは仕事に変わってしまい、遊びでやっていたとき以上の成果が出ることは残念ながらありません。
つまり、「好きなことを仕事にする」ということが最も成果の出る働き方ではないでしょうか。
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