あなたは、「PTSD(Post Traumatic Stress Disorders)」という言葉を聞いたことはありますか。
WikipediaによるとPTSDとは次のように書かれています。
心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Post Traumatic Stress Disorder、PTSD)は、命の安全が脅かされるような出来事(戦争、天災、事故、犯罪、虐待など)によって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害である。
正直、あまり聞き慣れない言葉ですよね。
一言でいうと、強烈なストレスが原因でその後の生活に影響がでるというものです。
一般的にPTSDとは戦争や災害被害などで発症することが多いのですが、場合によってはパワハラやモラハラでも同じ症状が現れるのです。
聞いたことないような病名ですと、まるで不治の病に聞こえてしまいますがご安心ください。
つらい状況に追い込まれ、自信を完全に失ったとしても立ち直ることはできます。
前置きはこれくらいにして、本題に入っていきましょう。
目次
パワハラが終わったあともPTSDの症状は続く
近年、職場の上司によるパワハラによって退職、休業を余儀なくされるケースが多発しています。
パワハラが原因で退職、休業に追い込まれることも問題ですが、さらに大きな問題はパワハラの被害者がその心に傷を負ってしまうことです。
PTSDになってしまうと、被害にあっていたときと同じような状況、たとえば「人の怒鳴り声を聞く」「机を叩くような音が聞こえる」といったシチュエーションに出くわしてしまうと、たとえ自分が責められていなくとも過去を思い出して集中力が欠けたり、不安を覚えたりすることがあります。
PTSDの主な症状は次の3つです。
- 回避
- 侵入
- 過覚醒
回避
回避とは、トラウマの原因となった物事を避けようとすることです。回避には、感情や感覚の麻痺なども含まれます。
侵入
侵入とは、トラウマとなったできごとが突然蘇ってきたり、夢に出てきたりすることをいいます。
過覚醒
過覚醒とは、物音などに対して過敏になり、集中できなくなったり、寝付けなくなり不眠になってしまうことを指します。
さらに重度のPTSDですと、拒食症、睡眠障害、パニック等の症状を引き起こす場合もあります。
しかし、こうした悲惨な状況は著名人などをメディアが取り上げてニュースにしている部分は、PTSD被害全体のごく一部に過ぎません。
その他多くの人が知らないところでパワハラの被害によって、トラウマに悩まされているのが実態です。
また、被害者は当時の状況を思い出さないようにするため、過去に経験したようなつらい状況を避けるような行動をとるようになります。
それが原因で今まで大切にしてきたことをしなくなったり、笑う、喜ぶなどの感情の表現が乏しくなったりもします。
【克服可能】PTSDからは誰でも立ち直れる
このようなパワハラ行為の後遺症ともいうべきPTSDですが、万が一パワハラやモラハラが原因でPTSDやそれに似たような状況に陥ってしまったら、もう諦めてしまうしかないのでしょうか。
そんなことはありません。
たとえ、PTSDのような症状になったとしても、もう一度、生き生きと自信にあふれていた頃に立ち返ることはできます。
具体的には、他に夢中になる仕事や趣味、生き方を見つけることで、このようなつらい状態から抜け出せるのです。
そのためにまず、あなたがやるべきことは、あなた自身の心のケアです。
実は、以前の僕もこのような状態で悩まされました。
今はかなり改善されましたが、パワハラにあった会社を退職したあとでも、iPhoneの「着信音」がつらい過去を思い出させるその引き金となっていました。
自分の携帯の着信音は変更していましたが、テレビやCM、または他の人が使っているiPhoneからその「着信音」が鳴り響いた時、当時の上司からの恐ろしい記憶が蘇り、反射的に胃が痛くなり、息苦しい思いをしてきました。
そんな中、自分の好きなことを見つけ、やりたいことを繰り返すことで自信もつき、今では人生の目的や、やりがいを見出すことができるようになりました。
ですので、今がつらいと悩んでいるあなたもその状況はずっと続くことはありませんので、どうか安心してください。
長く先の見えないトンネルの中にいるような感覚ですが、「絶対に終わらせる」という気持ちを忘れないことが大切なのです。
実際に心に傷を負ってしまったらやるべき3つのこと
パワハラやモラハラで受けた心の傷により、被害者は精神的にもろく体調も崩しやすくなったり、人も疑いやすくなってしまいます。
もしあなたがパワハラの被害でこのような症状がある場合は、次の3つのことをやってみてください。
身近な誰かに相談をする
今のあなたの危機的な状況をどれくらいの人が知っていますか。
ひょっとしたら、ご家族や身近な友人などには話していないのではないでしょうか。
「話しても何も変わらない」「恥ずかしい思いをするだけだ」と思うかもしれませんが、そう思うこと自体がPTSDの影響かもしれません。
誰かに相談してみることが、今の状況を改善する一歩になることは間違いありません。
コミュニティに参加して孤独感を捨て去る
パワハラを受けてPTSDのように心の傷を負ってしまったあと、特に被害者につらいのは、同じ苦痛を再び体験することでしょう。
人前で罵倒されたことを何度も思い出したり、ある言葉や場所などが原因でそのときの状況を思い出す、夜眠った後でも夢の中にその出来事が出てくることもあります。
このようなPTSDの症状を和らげるためには、社外の誰かと話をして、共感を得ることにより「自分のような人間はひとりではない」と感じることが大切です。
ここでのポイントは「社外の誰かと話す」ことです。
同じ会社の人間でも話をすることはできますが、共通の上司の話題や話のテーマにより、あなたのつらい記憶が蘇ってくるだけに終わってしまうことも少なくありません。
一方、社外の人間であれば、客観的にものごとを見てくれます。
また、その人自身の苦労話を聞くことで、今のあなたへの解決の糸口が見つかる可能性が飛躍的に高まるからです。
その場から離れる
もしもあなたが今もなお継続してつらい環境にいるのであれば、すぐにその場を離れるべきです。
そんなことはできない、無理だ、と思うかもしれませんが、今のままでは状況は良くなりませんし、自分で自分の身を守るしか方法はないでしょう。
不確定な将来を案ずるよりも、今の環境を改善させることが先決なのです。
どうしても自分の力だけでは、抜け出せそうにないのであれば退職代行というサービスを利用するのもありです。
退職代行はあなたの代わりに退職の手続きを行ってくれますので、つらいときの切り札として使ってみてください。
まとめ:PTSDは克服できる
今回は、「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」とパワハラの関係についてお話しました。
パワハラによる影響はたとえ身体的な傷がなくとも被害者の心に傷を負わせ、PTSDのような症状を与えることもあります。
当時と似たような状況を避け、その思い出と直面するようなことがあればそこから逃げ出してしまうのです。
まずは逃げることで、第一歩を踏み出しましょう。このような症状で、10年、20年経っても苦しんでいることはほとんどありません。
しかし、いくら時間が解決してくれるとはいえ、被害者に対して、長期間にわたって影響を及ぼし続けることには間違いないでしょう。
だからこそ、パワハラやモラハラからは一刻も早く脱出する必要があるのです。
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